日本語教師を目指す方には、指導未経験で就職ができるのか不安な方もいると思います。
今回の記事では、海外で日本語教師として働いている私が、「日本語教師になりたい・日本語教師に転職したい」と考えている方に向けて、「未経験から日本語教師になる方法」について実体験を解説します。
必要な資格
日本語教育能力検定合格
日本語教師の求人要件には、日本語教育能力検定資格の所有があります。検定資格を取得すれば、日本語教師になれる資格を得たことになります。
日本語教師養成講座修了
資格試験に合格しなくとも日本語教師になることは可能です。文化庁が認めた学校で開講している日本語教師養成講座を修了すれば、日本語教師になる資格を有したことになります。
講座修了までには、半年から9ヶ月必要になります。講座では、日本語教師に必要な知識だけではなく、模擬授業といったより実践的な教育を受けることができます。
費用はかかりますが、確実に日本語教師になりたいという方におすすめします。
学士
大学で日本語を専攻していた方は、上記の2つの資格は必要ありません。また、求人には大学卒業以上の学歴が求めるところも多いです。
特に、在留資格が付与される留学生を受け入れることが可能な日本語教育機関で働くためには、大卒以上の学歴が必須条件です。
参考:文化庁 日本語教育機関の法務省告示基準第1条第1項第13号に定める日本語教員の要件について
http://www.moj.go.jp/content/001265460.pdf
未経験から日本語教師になれるのか
未経験で日本語教師になることは可能です。
現在、国内の日本語学習者の数は増加しています。それに合わせて、日本語教師の需要も増加しています。また、日本語教師の絶対数が足りておらず、業界として売り手市場です。
それゆえ、求人には未経験者でも応募できるところがあります。しかし、実際の指導経験があれば就職有利に進むことは明らかです。
現在では、インターネットを使って日本語の授業を行うことができます。また、ボランティアの日本語教師の募集も多くありますので、これらで実務経験を積んだ後に就職することをおすすめします。
志望動機
私は面接の際、日本語を教えられる能力と日本語を教える熱意を相手に伝えることを意識していました。具体的には、ボランティアでの実務経験や資格で能力をアピールしつつ、現地の日本語教育に貢献したいことを伝えることで就職することができました。
もちろん、志望動機は人それぞれ違います。また、就職先が求める人材像も様々です。就職先が求める人材像に合わせて、ご自身で考える志望動機をリンクさせてください。
転職できる年齢はいつまで?
転職の適齢は40代でしょう。求人の多くは、年齢の上限は記載していません。年代別日本語教師等の数を見てみると以下のとおりです。
10代 143 (0.3%)、20代 2,078 (5.0%)、30代 3,801 (9.1%)、40代 6,203 (14.9%)、50代 7,373 (17.7%)、60代 9,119 (21.9%)、 70代4,089 (9.8%)、回答なし 8,800 (21.2%)
参考:文化庁 平成30年度国内の日本語教育の概要
http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/nihongokyoiku_jittai/h30/
データより日本語教師は40代以上が大半です。つまり、平均年齢が高い業界であることが分かります。
もちろん日本の転職は一般的に30代までが有利といわれていますが、業界の性質上40代以上でも就職が可能であると推測ができます。加えて、日本語教師の絶対数が不足しているという現状を加味すると、転職ができる可能性は増すでしょう。
また、就職は国内だけではありません。国外での日本語学習者も多く、海外で日本語教師として働くチャンスもあります。
私が勤務している語学学校では50代の方も活躍されています。ただし60代以上では労働ビザが下りない場合がありますので注意してください。
海外で働くには?
求人によりますが、応募資格として大学卒以上を求められる場合もあります。なぜなら、海外における就職では、大卒以上でなければ労働ビザが所得できないためです。また、前述の資格所得も必要とします。
しかし、アジア諸国では就職に年齢制限が無い国が多いので、国内よりも就職できる可能性は高いでしょう。
インターネット上では以下のような求人サイトがありますので、ご確認ください。
・日本語教師の集い 日本語教師求人情報
http://www.e-tsudoi.com/db_job/job/job_bbs_list.php
まとめ
現在の日本語教師業界は売り手市場であり、未経験でも就職することは可能です。しかし、より就職できる確率を高めるためにも何かしらの実務経験を積むことをおすすめします。