現在、日本語教師を目指している方や既に日本語教師として活躍されている方の中には、海外での勤務を希望されてる方も多いと思います。
しかし、海外での勤務に興味はあるものの、自分の知らない場所での勤務となると、不安を感じますよね。
今回の記事では、海外で日本語教師をしている私が、日本語教師の職場環境等について経験を踏まえてご紹介します。
待遇について
現地の中では比較的良い給与を受け取っていますが、日本に比べると低いです。
海外の日本語教師の需要はアジア諸国が最も多いです。そのため、日本の賃金制度と比べると待遇面では期待できません。しかし、現地での生活には困らないでしょう。
最近、待遇について雇用先とのトラブルが増加しています。労働契約をする前に、必ず待遇について確認するようにしましょう。
勤務時間について
固定のシフト制で勤務しています。もちろん、残業もありません。また、私が勤務している語学学校では講師数も足りているので、長時間勤務を強いられることもありません。
勤務時間についてもトラブルを避けるため、事前に確認するようにしましょう。
人間関係について
良好です。私が勤務している学校では、職員全員が同世代のため友人同士のような関係を築いています。
もちろん学校によっては、職員同士の不仲はあると思います。しかし、海外国内を問わず、日本語教師として活躍するためには、職員同士の協力関係が重要です。
職員同士のコミュニケーションを密にして、良好な人間関係を築けるように心がけましょう。
職場でのトラブルはあるか?
教師同士のトラブル
私が勤務している学校ではトラブルはほとんどありません。講師の大半が日本への長期留学経験があります。それゆえ、日本人の気質や文化の違いに理解があります。
しかし、文化の違いを感じることはあります。確かに講師の大半は日本語を話せますが、日本人同士のように、口に出さなくともお互いの気持ちが分かるということはありません。また、日本語特有の細かいニュアンスを伝えることは難しいと感じています。
日本で生活しているのと同じように婉曲的な表現を使ってしまうと、相手に発言の真意が伝わらず逆にトラブルになってしまいます。
海外では、はっきり自分の意見を伝える事が大事です。ただし、何でも直接的に言えばいいということではありません。相手の意見を尊重しながらも、自分の意見を伝えることが大事なのです。
日本語で表現が難しい場合は、英語を使って相手に気持ちを伝えることもあります。
生徒とのトラブル
私が勤務している学校ではほとんどありません。生徒は日本語を勉強するため、自主的に学校に通学しています。月謝も地域の中では高額であるため、少しでも早く日本語を習得しようと強い熱意を持って授業に臨んでいます。
また、多民族国家ではありませんので、文化や宗教の違いから発生するトラブルもありません。ただし、時間に対する考え方が日本人に比べて緩いため、遅刻が多いのが難点です。
もし、国内に住む外国人に日本語を教える場合、慣れない日本での生活にストレスがたまり問題を起こす生徒もいるでしょう、また、様々な国から来た学生に対して教鞭をとる際は、民族の違いや文化の差からトラブルが発生することも考えられます。
職場の男性:女性の割合について
職員
職員合計8名のうち男性は私だけです。他の語学学校も講師はほとんど女性です。男性は数えるほどしかおりません。
国内の調査でも、女性の講師数が全体の約8割を占めています。海外のデータを見つけることはできませんでしたが、国内データとの類似性はあるのではないでしょうか。
参考:一般財団法人日本語教育振興協会 「平成30年度 日本語教育機関実態調査」
https://www.nisshinkyo.org/article/pdf/overview05.pdf
生徒
私が勤務する語学学校では、100名近くいる生徒のうち8割が女性です。ただし、所属する機関によって男女比は変動します。
まとめ
以上が日本語教師の職場環境と人間関係についてになります。海外で日本語教師として勤務すると、間違いなく文化の違いを感じるでしょう。また、慣れない海外の生活にストレスを感じてしまうことも多いです。
文化や宗教の違いは、時として大きなトラブルに発展する場合があります。それは教師同士や生徒との間でも発生します。それゆえ、日本語教師はトラブルが発生したときでも冷静に対応できるメンタルの強さと、問題を解決できる力が必要なのです。
海外で日本語教師として勤務することは、辛いこともありますが、楽しいことも多いです。辛いことや楽しいことを含め、ご自身を成長させてくれるでしょう。
この記事が、海外で日本語教師になろうとしてる方にとってお役に立てれば幸いです。