【現役日本語教師が語る】2022年の日本語教師の需要について【国内&海外】

日本に在留している外国人の数は増加しています。外国人在留者数の増加に伴って、日本語学習者も増加しています。また2019年4月に改正された出入国管理法により、今後も日本には外国人が増えていくと予想されます。

では、外国人の数の増加に合わせて、日本語教師の需要も高まっているのでしょうか?今回の記事では、海外で日本語教師をしている私が、日本語教師の需要について解説します。

以下の記事では、これからの日本語教師の将来性について解説しています。あわせて読むと理解が更に深まるでしょう。

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日本語学習者数の詳細(国内)

文化庁の調査結果では、平成30年6月末の国内在留者数は過去最高の263万7251人を記録しました。これに平行して、日本語学習者も増加しています。その数は25万9711人であり、前年比で8%増、約2万人増えた計算になります。

教師数の詳細(国内)

教師数を見てみると、国内の日本語教師数は約4万1600人、前年比で5%増・約2000人増という結果です。その内訳はボランティアが約2万3000人で全体の55%、次に非常勤講師が約1万3000人、常勤が約5600人となっています。

参考:文化庁国語課「日本語教育実態調査 平成30年度国内の日本語教育の概要」

http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/nihongokyoiku_jittai/h30/

日本語教師の需要(国内)

学習者数が、2万人の増加をしており、これからも増加していくことが見込まれます。増加した学習者に対応するため、日本語教師の需要はあると考えます。

しかし、問題としては、学習者の増加に対して教師数は2000人の増加になっているというところです。学習者の増加率に対して、教師の増加率が追いついていません。

日本語学習者数の詳細(海外)

2015年の調査では、海外での日本語学習者数は約365万5千人となっています。前回の2012年の調査では、約398万5千人となっていますので、約8%の減少・33万人の減少となっています。

海外での学習者の減少の内訳を見てみると、インドネシアや中国といった人口が多い国での学習者が減っています。一方でアメリカやオーストラリアなど、その他の国では学習者は増加しています。

技能実習生として来日する数が増えているベトナムでは、日本語学習者の数も増加傾向です。しかし、学習者数は2012年までは増加しており、依然高い水準を推移しています。

教師数(海外)

2015年の調査では、海外での日本語教師の数は64,108人となります。前回の2012年の調査では、教師数は約63,780人となっていますので、ほぼ横ばいで推移しています。

参考:日本国際交流基金 「海外の日本語教育の現状 2015年度日本語教育機関調査」

https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/survey/result/survey15.html

日本語教師の需要(海外)

日本語学習者の数が減っている地域では、日本語教師として働けないということではありません。中国やインドネシアでも日本語教師の求人は見受けられます。

それゆえ、学習者が減っている地域でも日本語教師になれる可能性はあります。また、学習者が増加している地域ではもちろん日本語教師の需要はあるといえるでしょう。

仕事探しのエピソード

私は現在、東ヨーロッパにあるジョージアで日本語教師として働いています。ジョージアでの仕事を探していたところ、友人の紹介で入りました。別の日本人講師が帰国するということで、入れ替わりで採用が決まりました。

ジョージアでは学習者の数は多いですが、教師数が足りていますので、欠員が出ない限り新たに雇用されることは難しいでしょう。

まとめ

以上が日本語教師の需要についての記事になります。現在、国内外問わず日本語教師の需要は高いということがお分かりいただけたでしょうか?

日本語教師の需要拡大に伴って、求人数も増加しております。ご自身のキャリアプランに合わせて、適切な職場を選択してください。

また、以下の記事ではこれからの日本語教師の将来性について解説しています。あわせて読むと理解が更に深まるでしょう。

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